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「web面接でも応募者とのコミュニケーション、ちゃんと取れてますか?」オンライン採用において注意点すべき点とは

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新型コロナウイルスの影響で、急速に採用のオンライン化が進んでいます。当社が実施したアンケートでも実に約95%の企業がweb面接を実施しています。一方、急速な変化に対応しきれていない実態もアンケート結果からは見えてきました。

パラレルワーカーとして複数の企業で豊富なweb面接の経験をお持ちの渡會智一氏に、アンケート結果を元にweb面接におけるコミュニケーションの取り方や今後の採用の在り方について伺いました。

<プロフィール>
渡會智一
大学卒業後、当時400名規模のIT企業へ人事総務担当として、総務、新卒採用と幅広く経験。
その後、IT業界を中心に、大手ITインフラ企業、WEBサイトコンサルティング企業等
にて人事責任者として採用・人事制度・労務・教育研修と幅広い人事領域を担当し、高い実績を上げ活躍。
2019年8月よりフリーランスとなり大小問わず、複数企業の人事・採用に携わっている。
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web面接の利用状況

WEB面接実施企業は全体の94.7%。ほとんどの企業が実施をしている

───渡曾さんはweb面接の活用状況を教えてください。

現在お手伝いしている2社ともに、<一次面接:web→二次面接:対面>という選考フローを組んでいます。使っているツールはWhereby(ウェアバイ)がメインです。
webならではの難しさや気を遣うところはありますが特に問題なく選考を進められており、今のところメリットが大きいというのがweb面接を実施しての感想です。
最近では個人の方もweb面接に慣れてきたのを感じており、アンケート結果が示す通り(約95%の企業でweb面接を導入)、社会全体に浸透してきたことは現場の肌感覚としてもあります。

web面接のメリット

✔︎WEB面接を実施してよかった事として、「面接の時間効率がよくなった」「日程調整が行いやすくなった」が33.3%と高く、次いで「面接実施率が高くなった」が24.4%で続く

───渡曾さんが実感しているweb面接のメリットは具体的にどんな点があるでしょうか?

アンケート結果の通り、面接が組みやすいのは大きなメリットと感じています。転職者の方々は、現職中だとなかなか面接が組みにくいですが、「在宅なので、web面接なら日中でも時間取れます」など融通が利きやすいですよね。仕事の忙しさが理由で転職活動が思うようにできなかった人が積極的に面接を受けられるようになったのは、企業側としても喜ばしい状況です。

───日程調整がしやすくなったことで、選考プロセスの見直しはしましたか?

いいえ、基本的には今までと同じですね。
<一次はスキルや経験の確認/二次は人物面やキャラクターと社風のマッチングの確認>など、webか対面かに関わらず、面接フェーズや面接官で役割を分けている会社って多いですよね。なのでその感覚でいいと思うんです。webで見えにくいところを敢えて確認する必要はないというのが私のスタンスです。

ただ、面接日時の調整がしやすい、会議室の予約をしなくていい、日中でも面接が組めるなど、個人・企業双方で面接実施への障壁が低くなりますから、中途採用のスピードが全体的に上がってくる可能性があるんです。特に一次も最終も両方webの会社は、選考フローは同じでもスピードが違う。今日やって明日みたいな。
中途採用の場合はタイミングが重要なので、スピードの観点で採用プロセスの見直しは今後必要になってくると感じています。

───そのほかweb面接のメリットとして挙げられる点はありますか?

録画機能も良いですね。一旦録画して、一呼吸置いて振り返ってみた時に冷静な判断ができたり、自分で判断が難しい場合に録画内容を簡単に次の面接官に見てもらうことで、精度は上がると思います。

web面接のデメリット

✔︎WEB面接で困った事としては、「通信トラブルが起こりスムーズに面接ができなかった」25.0%と多く、ツールによる問題があげられる
✔︎「応募者と対話がしづらくなった(表情や感情を読み取りづらい)」22.2%「応募者の人物評価がしづらくなった」19.4%「応募者のスキル評価がしづらくなった」11.1%と全体で見ると見極めに課題があるという割合が52.8%を占める

───今度は逆にデメリットの部分です。アンケートでは「応募者とのコミュニケーション」に難しさを感じている人が多いようですが、渡曾さんはいかがでしょうか?

「どの点に興味持ってもらえているんだろう」など、応募者の反応が見えにくいのは私も感じています。対面であれば頷きや表情の変化でこちらの反応は伝わりますが、webだと難しい。「今の話、どこまで理解してくれてるんだろう」と感じると、お互いにどこまで話していいのか不安になります。そうすると質問→回答→質問といった無機質な会話の流れに陥り、本音を話せるような心の距離にはならないわけです。ですから、本音を喋っても大丈夫!と思ってもらえるような環境作りがweb面接では大切になります。

具体的には、相手の発言に対し、コメント・感想など言葉で相手に伝わるような反応を示すことがポイントです。「それは良い経験をされましたね!」など少しオーバーなくらいのリアクションが必要です。ただ、質問に対して「はい次の質問」は、面接モードになるのでダメ。あくまでも対話形式に持っていく意識が重要だと思います。

あと、私は経歴の説明を本人にはさせないんです。経歴の説明をさせると「これから面接始めます!」みたいになり、相手が緊張しちゃいます。これはwebではきつい。会話ベースでさらっと職務経歴を聞いていって、答えやすい雰囲気を作るんです。

───具体的な会話の流れはどんなイメージでしょうか。

職務経歴書の内容に沿ってこちらから聞いていく形です。すべて確認していくというよりは、気になった点を聞いていくので、最初の質問は粗目です。例えば「こんな新規事業を立ち上げました」みたいなところで、「具体的にどんなことをやったんですか?」から入り、「どういう人たちと、どういう役割で仕事をしましたか?」など、徐々に掘り下げていって、その人が自分自身の力でどこまでやってきたのかを確認しています。職務経歴書は自分がやってないことも全部ひっくるめて書いちゃう人もいるので、精査をする意識を持っています。

あと、今後やっていきたいことも質問をするんですが、webだと本音が話してもらえないケースも多いので、今並行して受けているのはどんな会社のどんなポジションなのかを聞きます。すると、今後やっていきたいことで答えてくれた内容との矛盾点が出てくるケースがあります。うちとはまったく仕事や目指す方向が違う会社をいっぱい受けてるぞ…みたいな。対面でもそうですが、特にweb面接では本音と建前を見極めるこういった工夫が必要だと思います。

───ノンバーバルではなく、バーバルコミュニケーションが重要ということですか?

調査結果にもそれが出ているんじゃないでしょうか。見極めづらくなったのは、その場の“雰囲気”や“ノリ”のようなノンバーバルで感覚的な面かと思います。その点は画面越しでは難しいです。
ですから、評価ポイントの言語化など、バーバルコミュニケーションは今後の人事にとっては必要なスキルだと思います。
と言いながらも「この会社の人仲良いな」みたいな雰囲気を言葉にするのはやっぱり難しくて、そこは動画などの活用も考えていかないといけないと感じています。

with/afterコロナ時代の面接・採用について

───web面接はコロナの状況に関係なく戦略的にも採用に取り込まれていくのでしょうか?

職種や業種による濃淡はあると思いますが、コロナをきっかけにしたこの流れは、5Gでより加速していくと思います。web環境が良くなると、場所や時間の制約はより小さくなりますから。今の段階ではwebではスキルチェック、対面では人間性チェックなどの使い分けがベターかなとも思いますが、最終的には選考は全てwebになる可能性が高いと考えています。極端な話、一度も会わずに入社して一度も会わずに退職することだってあるかもしれないです。

───人事・採用の今後のあるべき姿とはどうお考えですか?

積極的に新しいツールや手法を取り入れて世の中の変化についていくこと、そこは積極的にやっていくべきです。
新しいものにリスクはありますが、それ以上にメリットが大きいことが多い。まずは試してみて、あとは上手く自分がそれに慣れて、やり方を身につけていくだけです。できないと言ってる人は言い訳かなという気がします。

───まず足元でやるべき採用に向けての活動はどういったものがありますか?

改めて会社の魅力の掘り下げかなと思ってます。魅力を掘り下げて、言語化して、どう伝えるか。競争が激しい採用環境の中でいかに勝っていくか、採用戦略をもう一回見直す良い機会なんじゃないかなと個人的には感じています。

───ありがとうございました。

Category : 研究・データ
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