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インタビュー

「期待に応えたい!」専業主婦から切り開いたキャリア

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ベンチャー企業の中途採用責任者、1,000名を超える大企業の採用総責任者、複数社の人事コンサルティング……これだけを見ると、さぞかしエリートなのだろうと想像するはず。

しかしながら、そのキャリアのスタート地点はなんと「専業主婦」。しかも最初の企業にはアルバイトとして入社したという。そこからどのように今のポジションを築き上げてきたのか。その率直なところを瀬戸口さんは包み隠さず話してくれた。

<プロフィール>
瀬戸口 妙子
1981年生まれ。2008年より比較サイトを運営する会社に入社。中途採用をメインに担当し、2013年国内大手の保険代理店のリクルテーティングマネージャーとして活躍。 2017年より株式会社HUMOに転職。現在は人事部長として採用全般を管掌する傍ら、複数社の人事コンサルティング業務を兼務。
また、現在開発中のフリーランス書類管理システム<impro>(2020年4月リリース)の事業責任者として従事。

ひたすら目の前の仕事に向き合ってきた

28歳、遅まきのキャリアスタート

22歳で結婚して、23歳で出産。28歳で比較系サイトを運営する会社に入社するまでは、いわゆる専業主婦でした。

入社といっても受付のアルバイト。当時2歳と4歳の子どもがいたので、16時に帰れる受付の仕事を選んだ……はずだったのですが、なぜか入社当日に「採用も兼務して欲しい」と言われて。PCの電源を入れる方法すらわからない人間でしたから、それはそれは驚きました。

期待いただいたからにはやるしかないと覚悟を決め、カンタンな応募者対応から始めました。上司にも恵まれ、任される仕事の裁量が徐々に増えていき、入社から4年くらい経つ頃には中途採用責任者になるまで、たくさんの勉強をさせて頂きました。
そこまで成長できたのも、特に二人の方から学ぶ機会があってのことでした。
1人は当時コンサルタントして現場に入っていた方で、求人原稿への拘り方、メディア求人担当への折衝方法、媒体への数字の見せ方、見え方など、本当にたくさんの事を学ばせて頂きました。
続いて、超数字に強い方が上司になり、その方からも論理的な考え方や、書類選考方法、面接方法など採用担当としての基礎を学ばせて頂きました。

さらに任される範囲が増え、ついには年間予算全額を動かす採用責任者へ

その後、関連会社の大手保険代理店に移り、リクルーティングマネージャーとして採用課題に向き合うことになりました。全国250店舗を展開する従業員1,000名強の大企業で、年間採用予算も多額。移って3年も経つ頃には全社の採用責任者という立場になっていました。

とはいえ当時、私は社会人7年目の若輩者。人に指示を出すことにまだ違和感があり、「もっと自分自身が成長しなくちゃダメだ」という思いを強く持っていました。

大手保険代理店で働く中、上司や働く仲間にも恵まれ順風満帆だったのですが、当時35歳の私はもう一度外に出てチャレンジしたいと思っていました。とにかく学びたかったんです。100名ほどのIT企業で働いた経験と、1,000名を超える企業で働いた経験を生かし、それまでの経験を超える企業はベンチャーしかないと考え、今の会社に転職しました。

チャレンジできるHUMOへの転職

HUMOを選んだきっかけは、以前の職場の同僚から紹介を受けて。HUMOではあらゆる企業の人事支援やコンサルティングを行っていますが、私は自社の人事をやるという前提で入社しました。
しかし、入社間もなく、ある有名な病院の採用を手伝ってほしいという話をもらい、そこの採用を兼務することになったのです。

採用支援で現場に入ってみると、採用支援の前に整えなければならない事がたくさんありました。説明してすぐに理解してくださる先生方にも恵まれ、一緒に規則関連の修正や作成などから着手し始めました。

かなりの量がありました。 (笑)
でも、任せてもらったからにはやるしかないと、半年かけて体制を整えて行きました。各種届出を出したり、社労士や弁護士や会計事務所とやりとりをしたり。今思えば、この経験があったからこそ人事まわりのいろんなことができるようになったと思います。

試行錯誤の上見つけた、組織変革方法

大手保険代理店で経験した「大失敗」

大手保険代理店の時の私のミッションは採用費削減・質の向上・チーム組織の向上の3点でした。
保険の知識は先入観で難しい仕事だと思われており、採用全般で苦戦している状況でした。早速採用フローの見直しを図り、当時事業部制だった採用の仕組みを変えていこうとしたのですが、気がついた課題を早急に変えるべく必死だったのですが…現場の人から距離を取られるようになってしまいました。

それはそうですよね。いきなり来た外部の人が理論だけを振りかざし、急に組織を変えようとしても難しいに決まっています。
今考えればわかる事なのですが、当時の私は結果を早く出したい一心で、現場の本当の大変さを理解していなかったのです。
そんな時、人生最大の転機となる当時の上司がこんな言葉をかけてくれました。

「仲間として認めてくれなければ、どんなに会社を想った良い行いでも、誰も感謝をしてくれない。採用費を下げても、採用の質を向上しても、『私たちの今までのやり方を変えられた』と思われてしまう。だからまず、みんなの信頼を貰えるよう<みんなが面倒だと思う仕事>を端からもらって来なさい。この行いを1年ほど続けるとある瞬間からみんなが信頼してくれるから、それを信じてやり続けなさい」
と教えてくれました。この言葉を聞いた時、私に足りない事が明確に分かり、気持ちを入れ替え本当に猛省しました。

片っ端からみんなが面倒だと思う仕事を引き受けて回った

それからの私は、毎日のランチ時間を常に人との時間に使うようにしました。課題を聞き、できる限りのアドバイスや協力をする中で人間関係を作り、気持ちよく引き渡してもらえるタイミングを見計らって面倒だと思う仕事を引き受けていくようにしたのです。

この地道な活動を通じて、これまで各事業部で別々にやっていた採用活動を中央に戻すことに成功。そうすると採用課題の共通点も可視化でき、会社全体の課題として把握することができたのです。
また、事業部ごとが採用競合と化すことで、一切のノウハウ共有が行われていなかった状態も一気に改善。「採用は会社全体がチームとなってやるべき」と説いて回り、組織風土から大きく変えていくことができました。

また、結果を出すことに拘り、採用チームで作りあげていくことで、会社から採用チーム全体への信頼度も上げるよう意識していました。
そうして1年ほど経った頃、上司が教えてくれた通り、気がつけば周りが協力してくれる環境が作られていたんです。
パフォーマンスも最初のミッション通り、採用費削減・質の向上・チーム組織の向上をクリアしていたと思います。
あの時の上司の言葉は私を変えてくれました。

複数企業で人事業務に関わるメリット

圧倒的なスピードで成長できる

いろんな人と出会える、自分ができないことが顕在化される、いろんな知識や文化を知ることができる──挙げればキリがないほど、複数企業で人事に関わるメリットは大きいです。

1社に勤めていると4年とか掛かるところを、複数企業なら数か月で習得できてしまうこともよくあります。しかも、関わる会社が多いほど成長スピードは速くなります。ある会社で得たノウハウを別の会社で活用する機会も増え、結果として自身のパフォーマンスが拡大していくからです。

私自身、これまで20社以上の人事業務に関わってきました。28歳という遅まきのスタートだったことも、貪欲に勉強できた要因の1つかもしれません。ある時から「お金をもらいながら勉強できる環境にいるんだ」と思考が変わり、わからないことがあれば堂々と人に聞くようになりました。

また複数企業に関わると、経験したことのない分野を偶発的に任されることも多々あります。「経験したことがないから……」とその業務を避けてしまう人もいますが、私はやったことないものを依頼されると嬉しい性格でして。就業規則から作ったことも、アウトソーシング会社で人事評価制度の構築をしたことも、当時は大変でしたが、今となってはいい経験だったなと感じています

企業側から見た、業務委託やコンサルを導入するメリット

専門知識や経験を豊富に持った方に協力いただくことは、とてもメリットが大きいものです。

まず、企業は短期間で多くの知識を吸収することができます。それだけではありません。
その方が持つ経験やノウハウをそのまま自社に転用できるケースも。そもそも社員より知識や経験を持っている方が組織に入ることは、これまでにない良い刺激となるはずです。

さらに、いわゆる“よそ者”の視点で自組織の課題に向き合ってくれることも大きな効果となるでしょう。自分たちでは気づけないような、自社の歴史や先入観からできてしまったルールの課題を見つけてくれたり、社内の人間では言いづらいことを経営陣に進言してくれたり、といったことも期待できます。

例えば、経営陣から「100名採用しなさい」という指示が人事に出されたとします。
すると大半の人事は、「100名採用するんだ!」とその指示をそのまま受け取るのです。本当は、例え採用人数が40名であっても、経常利益を達成できれば問題なかったのかもしれません。
中には疑問を感じている人もいるかもしれませんが、経営陣に対して「なぜ100名なのでしょう?」と言いづらい雰囲気があったりするものです。

そんな時が私の出番。皆に変わってその採用背景を確認し、現場に伝わりやすい形で言い換えてあげるのです。これも外部から入った人間ならではの価値発揮だと言えるでしょう。

ただ、注意するべき点が1つあります。それは、活用する外部人材に対して「ミッションを明らかにする」ということ。
外部人材の活用を検討する企業は大きく2つのタイプに分かれます。
1つは新しいノウハウを求めているところ、もう1つはマンパワーを求めているところです。どちらのニーズに当てはまるかを外部人材ときちんとすり合わせておくことが、ミスマッチを防ぐポイントです。

出来ることを増やすには、食わず嫌いにならないこと

正直、「これがやりたい!」と自分から選択したことはなかった

前職で受付以外の業務を担当したときも、大手保険代理店で全社採用責任者を任されたときも、HUMOで採用以外のコンサルに関わったときも、すべて自分から「やりたい!」と進言したわけではありません。
とにかく目の前に出されたものにトライし続けてきたことが、今の自分を作り上げたと思っています。

新卒の方なんかは特にそうですが、何事も最初はそういう姿勢って大事な気がしていて。そこで生まれた仕事の経験という量が質に転換するときは必ず来ます。私の軸は今も採用ですが、そこからピボットすればどんなことでもやれるという自信につながっていますから。

人生100年時代、働くのが60歳までとは限りません。ある程度は自分の介在価値を作っておかないといけないなと考えています。採用もできてマーケティングもできてインサイドセールスもできて……といった形でやれることを増やしていけば、足し算じゃなくて掛け算のような形で自分の介在価値が広がっていくと思うんです。だからこそ、やったことないものでも積極的に挑戦していきたいと思っています。

自社プロダクト開発という新しい挑戦

実は今、新しい自社プロダクト開発および事業責任者として関わっています。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、カスタマーサポートの一連の流れすべてをやる必要があり、人事のスキルを一切使うことがありません。

今までやっていたのはどちらかというと1-100の仕事。しかしプロダクト制作はまさに0-1。今まで以上にやったことがない仕事のオンパレードで大変だと思う瞬間も当然ありますが、その道のプロと一緒にこれまでにないものを形にしていくことはとても楽しいです。

正直、HUMOに入社したときはこんな仕事をするとは全く想像していませんでした。それが今やプロダクト制作に関わっているのですから、今後のキャリアもまったく予想できません。でも、そんな先の見えないキャリアだからこそおもしろい。こんな偶発的なキャリアを楽しむのも、ありではないでしょうか。

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